
前回の記事、3C分析で、お客様が望んでいること、ライバルとの差別化ポイントから、自社の「もしかしたら、これが成功の鍵じゃないだろうか?」が見えてきたら、次は4P戦略を考えます。
4P戦略とは、アメリカのマーケティング学者「E.J.マッカーシー」さんが、マーケティング戦略上のフレームワークとして1960年(もう56年も前ですね!)に提唱しました。
1)Product=プロダクト(製品)
2)Price=プライス(価格)
3)Place=プレイス(流通)
4)Promotion=プロモーション(宣伝)
それぞれの、頭文字(P)をとったものです。
「成功の鍵」を4つの要素に分解し、①お客様のニーズに対応した「製品」を開発し、②お客様に最適な「価格」を設定し、③お客様に届けるために最も効率的な「流通網」を構築し、④お客様に対して最も効果的な「プロモーション」を展開する、という順番で考えていきます。
もし「お客様を軸」に考えず、例えば「原価積み上げ方式」で価格を決めたりすれば、誰も欲しくない製品、在りもしない問題を解決するサービスを作ることになってしまいかねません。
4P戦略を考える上で、もっとも重要なことは、4Pの各要素が互いに矛盾なく、整合性をもった状態で実現(マーケティング・ミックスと言います)されていることにあります。
マーケティング戦略の検討・立案に際しては、4P個々のバランス感が重要です。
さてさて、もう一つ。
売り手の反対側「買い手」からの視点もあり、4Cと言います。
4Pは、大量生産し、大量に消費する社会、という時代背景で提唱されたこともあり、売る側の発想です。
したがって、1990年代にアメリカの経済学者である「R.ラウターボーン」は「今日のように市場が成熟している状況下では、売り手側である4Pよりもまず、買い手側の視点に立って発想することが大切ではないか…」と考え、4Pを買い手側の視点に置きかえた、新しい概念「4C」を提唱しました。
1)Customer Value=カスタマー・バリュー(顧客価値)
2)Customer Cost=カスタマー・コスト(顧客が負担するコスト)
3)Communication=コミュニケーション(顧客との交流)
4)Convenience=コンビニエンス(顧客の利便性)
の頭文字をとったものです。
今日の企業競争の中で最も進化したのは「より顧客の視点で!」という考え方です。通信販売や、宅配便が、その例と言えます。
本屋さんでなくても、CDショップじゃなくても、インターネットで本も音楽も買えるようになってきました。
現在、顧客の利便性を徹底的に追求した企業や製品が大きく伸びています。
このような現象が示しているのは「マーケティング自体も、どんどん進化している」ということなのですね!