
消費者が商品を購入するときの「感情の流れ」をモデル化したマーケティング理論に、AIDMA(アイドマ)の法則、そしてその進化型AISAS(アイサス)の法則というものがあります。
AIDMAの法則とは、消費者が商品を知り、購入にいたるまでの心理的な流れを
1)Attention(認知)
2)Interest(関心)
3)Desire(欲求)
4)Memory(記憶)
5)Action(行動)
の5つに整理し、その頭文字をとったものです。
広告・宣伝は、この順番で仕掛けないと、効果が少ないよー!ということになります。
1920年代に米国の販売・広告の実務書を書いていた、サミュエル・ローランド・ホールさんによって提唱されました。
この5つのステップはさらに
1)認知段階(Attention)
2)感情段階(Interest・Desire・Memory)
3)行動段階(Action)
の3段階に分けて考えます。
消費者は、テレビCM、雑誌・Webサイトなどから商品やサービスの存在を初めて知ることができます。
これが「認知段階」です。
飛行機のCAさんが、「アテーションプリーズ!」と言う、あれです。
「私を見てください!」と注目をさせてから、注意事項を話す流れです。(最近は、ほとんどビデオ紹介ですね)
もちろん、知らないものは買いませんよね…笑!
次の「感情段階」では、商品について、好きとか、嫌いとか、自分にとって必要かどうかを検討し、「自分への言い訳」をあれこれ考えます。「このケーキは、自分へのご褒美!」というやつですね…笑!
最後の「行動段階」で、やっと実際に動き、商品を購入します。
自動車、住宅、化粧品など、考える時間がある商材ほどAIDMAの法則は有効です。
プロモーション計画を考える際の一つのフレームワークとして、専門家の中では有名な考え方でした。
しかし、時代は流れ…。
インターネットが普及した現代のためにバージョンアップしたものが、1995年に大手広告代理店・電通から提唱されました。
AISASの法則です。
AISASでは、AIDMAにあった「Desire」と「Memory」を「Search(検索)」に置き換え、「Action」の後に「Shere(共有)」を追加しています。
1)Attention(認知)
2)Interest(関心)
3)Search(検索)
4)Action(行動)
5)
Shere(共有)
Searchは、商品の存在を知って興味を持った消費者が、商品名や関連するキーワードを検索エンジンに入力して情報を得ようとする行動を指します。
Shareは、商品の購入後、ブログやSNSなどのソーシャルメディアを通じて、消費者同士が商品の感想を発信・共有し合うことを示します。
この進化に、インターネット普及後の消費行動の変化が表れています。
情報の入手が、検索エンジンによって一瞬で手に入り、比較することが簡単にできるようになりました。
そして消費者自身が発信するクチコミ情報が、消費者の意思決定に大きな影響を与えるようになったというわけです。
現在では、このAISASの各プロセスにあてはめてプロモーションを検討することが一般的になってきました。
特にWebを絡めたプロモーションでは必須のモデルとして理解しておくことが大切です。
そして特に最初の「A」、アテンション=まず注目してもらい、認知を高めるための作戦が重要です。
そこがコケると、それ以降に打つ手の効果が薄くなってしまいます。