コラム

ノーマライゼーション8つの原則

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「ノーマライゼーション」は、社会福祉について考えるとき、もっとも重要な概念の一つと言われており、当社のITによる就労支援活動の根幹でもあります。

障害を持つ人も、持たない人も、地域の中で生きる社会こそ、あたりまえの社会である

その考え方は、デンマークのバンク・ミケルセン氏が、障害者へのあり方に対して提唱したのが始まりといわれています。
その後、スウェーデンのベングト・ニィリエ氏が、ノーマライゼーションの原理を体系化し、育て上げました。

ノーマライゼーション運動を牽引したニィリエ氏は、ノーマライゼーションの考え方を、8つの原則として示しています。

1)ノーマライゼーションとは,一日の普通のリズム
朝ベッドから起きること。たとえ君に重い障害者であっても、洋服を着ること。
そして家を出、学校か、勤めに行く。
ずっと家にいるだけではない。
朝,君はこれからの一日を思い、夕方,君は自分のやり遂げたことをふりかえる。
一日は終わりなく続く単調な24時間ではない。
君はあたりまえの時間に食べ、普通の洋服を着る。
幼児ではないなら,スプーンだけで食べたりはしない。
ベッドではなく、ちゃんとテーブルについて食べる。
職員の都合で、まだ日の暮れぬうちに夕食をしたりはしない。

2)ノーマライゼーションとは,一週間の普通のリズム
君は自分の住まいから仕事場に行き働く。
そして、別の所に遊びに行く。
週末には楽しい集いがある。
そして月曜日にはまた学校や職場に行く。

3)ノーマライゼーションとは,一年の普通のリズム
決まりきった毎日に変化をつける長い休みもある。
季節によってさまざまな食事、仕事、行事、スポーツ、余暇の活動が楽しめる。
この季節の変化のなかでわたし達は豊かに育てられる。

4)ノーマライゼーションとは,あたりまえの成長の過程をたどること
子供の頃は夏のキャンプに行く。
青年期にはおしゃれや、髪型、音楽、異性の友達に興味を持つ。
大人になると、人生は仕事や責任でいっぱい。
老年期はなつかしい思い出と、経験から生まれた知恵にあふれる。

5)ノーマライゼーションとは,自由と希望を持ち,周りの人もそれを認め,尊重してくれること
大人は、好きなところに住み、自分にあった仕事を自分で決める。
家にいてただテレビを見ていないで、友達とボーリングに行く。

6)ノーマライゼーションとは,男性,女性どちらもいる世界に住むこと
子供も大人も、異性との良い関係を育む。
十代になると、異性との交際に興味を持つ。
そして大人になると、恋に落ち、結婚しようと思う。

7)ノーマライゼーションとは,平均的経済水準を保証されること
誰もが、基本的な公的財政援助を受けられ、そのための責任を果たす。
児童手当、老齢年金、最低賃金基準法のような保障を受け、経済的安定をはかる。
自分で自由に使えるお金があって、必要なものや好きなものが買える。

8)ノーマライゼーションとは,普通の地域の普通の家に住むこと
障害者だからといって、20人、50人、100人の他人と大きな施設に住むことはない。
それは社会から孤立してしまうことだから。
普通の場所で、普通の大きさの家に住めば、地域の人達の中にうまくとけ込める。

あたりまえのことを、あたりまえに、粛々と…。