コラム

自分のことをよく知ってくれている店って、行きやすいですよね!

マーケティングを学ぶのに、多くの書籍を執筆されている佐藤義典さん(S&T株式会社代表取締役社長)が提唱する「3つの差別化軸」が、とてもわかりやすいので、ご紹介したいと思います。

差別化戦略とは、
1)お客様に自社商品を選んでいただく必然性を作り出すこと
2)視点を変えれば競合とどう戦うか、ということ
お客様、自社、競合、という3つの関係で考えるのが差別化ですから、この2つは同じものと言えます。

さて、差別化戦略というと無限にありそうですが、
実は3つに大きくまとめることができるそうです。

それは「美容院・理髪店選ぶ理由は?」という例で解説されています。
上記の質問には、恐らく以下のような答えがでてくるでしょう。

・家から一番近いところに行った
・いつも行っているから
・一番安いところに行った
・腕も雰囲気も良いから、繁華街の店に行った
・自分の髪質をよく知ってくれているいつもの店に

などでしょう。
これを、まとめると、3つになります。

1)早い、安い、便利な店
2)腕がいい、技術力がある店
3)いつもの自分のことをよく知っている店

差別化戦略とは、大きく分けると、この3つになるということです。

これは、元々はマイケル・トレーシー&フレッド・ウィアセーマ両氏が『ナンバーワン企業の法則』で提起した価値基準というものです。
価値基準とは「成功する企業が顧客に対する価値」を創造する方法で、
1)オペレーショナル・エクセレンス戦略
2)製品リーダー戦略
3)カスタマー・インティマシー戦略
と言います。これはちょっと難しそうですね!

この両氏の論を解釈し、佐藤氏がさらに発展させ、分かりやすい日本語にしたものが
1)手軽軸:早い、安い、便利、で差別化
2)商品軸:高品質、最新技術で差別化
3)密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化

という「3つの差別化軸」です。

美容院・理髪店が例でしたが、
実は、ほぼ全ての業種・業態でこれがあてはまります。

どの差別化軸が良い悪い、ということではありません。
重要なのは差別化軸の一貫性です。

3つの軸を全部満たそうとすると、それぞれが中途半端な結果となり、結局、差別化とはならないと思います。そうは言っても、現代日本では「密着軸」を選ぶことを佐藤氏はオススメしています。
その理由については
「白いネコは何をくれた」
「売れる会社のすごい仕組み」
などの著書でその理由を詳細に解説されています。
興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。

一般に「密着軸」で成功している場合、そもそも「人懐っこい人柄」や、そもそも「親切」という人柄やキャラクターである、ということが要因なのですが、それを「人徳」ではなく「戦略」として組み立て、ムラなく実行することが大切です。

徳川御三家である水戸藩の荒々しいDNAが根付く茨城県人。
最初はそっけないけど、仲良くなるとものすごくフレンドリー!
昔は「怒りっぽい、理屈っぽい、骨っぽい」の「水戸っぽ」と呼ばれた三ぽい。
最近は「怒りっぽい、忘れっぽい、飽きっぽい」とも言われています…笑!
いずれにせよ短気で冷静さに欠けるのは否めないところ!?
また、口ベタで、なまりがきついことも誤解を招きやすく
他人と衝突する原因になりがちの茨城県人にとって
「密着軸」での戦略は、ハードルが高いかもしれませんね…笑!